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中国動向2023年6月分要点  (全文)                     大久保勲

更新日:2023年7月1日



・5月22日、中国人民銀行が授権して、全国インターバンクコールセンターが発表した最新の貸出市場オファー金利(LPR)は、1年物LPRが3.65%、5年物以上のLPRは4.3%で、連続9か月かなり低い水準を維持している。(5/31)

・現在、1年物定期預金金利は年率で1.65%、3年物2.60%、5年物2.65%となっている。(5/31)


・5月分、製造業購買担当者指数、非製造業商務活動指数と綜合PMI産出指数はそれぞれ48.8%、54.5%と52.9%となり、前月よりも0.4%、1.%と1.5%低かった。(6/1)


・2023年第一四半期のマクロレバレッジ率は2022年末の273.2%から281.8%に上昇した。マクロレバレッジ率は一国の総債務と国内総生産(GDP)の比であり、一国の債務水準を測る重要な指標。(6/6)


・1-5月の中国の輸出入総額は16.77兆元、前年同期比4.7%増。うち、輸出9.62兆元、8.1%増、輸入7.15兆元、0.5%増。貿易黒字2.47兆元、38%拡大した。(6/8)


世界銀行が最近出した《世界経済展望》によれば、2023年の中国経済は5.6%成長の見込みで、1月の予測よりも1.3%の大幅上昇となった。(6/9)


5月分 中国の自動車生産量 233.3万台 前年同月比 21.1%増

        自動車販売量 238.2万台 前年同月比 27.9%増

        新エネルギー車生産量 71.3万台   前年同月比53%増

        新エネルギー車販売量 71.7万台   前年同月比60.2%増

        新エネルギー車市場占有率30.1% (6/11)


最近の人民元の下落について、専門家は内外部要素が総合的に作用した結果だとしている。外部から見ると、米ドル指数が上昇しており、内部から見ると、最新データでは、第二四半期の中国経済は回復の勢いがある程度緩慢になっていることを示している。(6/13) 


5月末現在、広義の通貨(M2)残高 282.05兆元  前年同期比11.6%増

5月分、社会融資規模増加量 1.56兆元  前月比3312億元多い

5月分、人民元貸し出し 1.36兆元増加  前年同期比5418億元少なく増えた(6/14)

・6月13日、中国人民銀行は公告で、銀行体系の流動性を合理的で十分余裕があるようにするため、当日金利入札方式で20億元の逆買戻し操作を展開し、落札金利は1.90%となり、前日に比べて10bpさがった。これは最近10か月で初めての引き下げである。専門家は、目下経済はやや弱く、総需要が不足しており、政策金利の調整は融資需要の改善に助けとなり、市場の予期をリードし、実体経済の発展を支持するとした。(6/14)


・国家統計局スポークスマン、国民経済綜合統計司司長付凌晖氏は、15日の記者会見で次のように表明した。5月の状況から見て、主要生産需要指数の前月比増加速度は程度は異なるがそれぞれに改善された。今年の年初から、経済社会全面回復常態化運営にともない、生産需要が反発した。目下の状況から見て、昨年の基数がかなり低かったので、第二四半期の経済成長は第一四半期よりも明らかに速い。第三四半期、第四四半期になると、基数の上昇につれて、経済運営は正常化した成長水準に戻るであろう。(6/15)


・中国経済は減速するが、世界の中で中国市場を上回る魅力を持った市場が今後10年間は出てこないとの見方がグローバル企業の共通認識。(6/16, キャノングローバル戦略研究所研究主幹 瀬口清之氏)

・日本企業は経済安保、台湾有事、当局による拘束を懸念して慎重姿勢を崩していない。

中国市場では日本企業だけが大幅に遅れる見通し。(同上)

・消費と投資は徐々に回復。5月分、社会消費品小売総額は前年同期比12.7%増加した。うち飲食収入は35.1%増加した。1-5月固定資産投資は前年同期比4%増加した。うちインフラ投資と製造業投資はそれぞれ7.5%と6%増加し、かなり速い増加を保持した。(6/16)


・6月20日、新しい貸出市場最優遇金利(LPR)が出された。うち1年物LPRは3.55%、5年物以上のLPRが4.2%、どちらもこれまでより10bp下降した。(6/21)


新エネルギー車車両購入税減免政策は4年間延長し2027年12月31日までとする。うち、2024年1月1日から2025年12月31日までは車両購入税の徴収を免除する。2026年1月1日から2027年12月31日までは車両購入税の半額を徴収する。(6/22)

・一般的に言うと、国際主要通貨は米ドル指数が下降する時期にある程度上昇し、米ドル指数が上昇する時期にある程度下がるが、これは米ドル指数の構成がもたらす必然の結果である。4月初め以来の状況を見ると、ユーロ、英ポンド、日本円、カナダドル対米ドル相場はみな下落し、とりわけ日本円の下落幅が更に大きい。(6/22)


(不動産の)需要不安定は主として三方面の要素の影響を受けている。即ち、収入予期、不動産価格予期、市場リスクである。収入予期不安定で、住民の支出意欲が不足し、不動産価格の変動も一定程度‘上がるだけで下がらない’という予期を変え、一部の購入者はそのため様子見の態度でいる。(6/24)

・昨年以来、世界の主要な中央銀行は持続的に大幅利上げしたが、当時の我が国の経済総需要が弱く、人民銀行は簡単に追随利上げをしなかっただけでなく、前後2回公開市場操作を行い金利を累計20bp引き下げ、1年物と5年物以上の貸出市場オッファー金利(LPR,最優遇貸出金利)をそれぞれ15bpと35bp引き下げた。(6/24)


・三年間の疫病発生感染を経て、中国経済回復には3つの段階が必要である。一に、社会秩序と取引修復の段階、供給と需要の各方面で回復性成長の実現を主な特徴とする。二に、バランスシート修復の段階、企業の利潤、住民の就業、財政収入全面改善を主な特徴とする。三に、正常化拡張の段階、バランスシート拡張速度と経済成長速度が再び潜在成長速度に戻るのを主な特徴とする。目下、中国経済回復は第一段階から第二段階への転換期のカギとなる時期にある。(6/27,中国人民大学フォーラムの報告)


・中国の十年年平均経済成長は6.2%に達し、経済総量が世界に占める比率は2012年の11.3%から18%前後に上昇した。貨物貿易総量は連続6年世界第一位であり、世界経済成長に対する平均寄与率は30%を超えた。(6/28,李強首相、夏季ダボスフォーラムにて)

・第一四半期は4.5%成長で、第二四半期成長速度は第一四半期より速いと見込まれ、年間で5%前後の予期成長目標を実現する望みがある。(同上)


6月分、製造業購買担当者指数(PMI)は49.0%で、前月より0.2%上昇し、製造業景気水準はある程度改善した。

 企業規模から見ると、大型企業PMIは50.3%、前月より0.3%上昇した。中型企業PMIは48.9%、前月よりも1.3%上昇した。小型企業PMIは46.4%、前月よりも1.5%下降した。

 生産指数は50.3%で前月よりも0.7%上昇した。臨界点以上となり、製造業の生産活動がある程度早まった。(6/30)



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