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中国動向2023年9月分(全文)                     大久保勲(要点) 

更新日:2023年10月1日



8月分、製造業購買担当者指数は49.7%で、前月よりも0.4%上昇した。非製造業商務活動指数は51%で、前月よりも0.5%下降した。総合PMI産出指数は51.3%で、前月よりも0.2%上昇し、中国の経済景気水準は総体として安定を保持している。(9/1)


・中国人民銀行、国家金融監督管理総局は最近通知を出し、個人住宅貸付の実際の頭金比率と金利を引き下げた。一軒目の住宅と二件目の住宅の最低頭金比率はほとんど史上最低水準である。特に一二線都市の改善性住宅需要については、二軒目の住宅の頭金の比率がかなり高く,ある地方では60%に達する。二軒目の住宅の金利政策の下限はもともと貸出市場オッファー金利(LPR)+60bpであったが、今回の調整でLPR+20bpとなった。住宅貸付残高の金利調整により、住民の消費意欲と資金回転能力が増加する助けとなる。(9/2)


9月1日、多くの全国性商業銀行が預金金利を引き下げた。これは今年6月初めに全国性商業銀行が預金金利を引き下げてから再度の引き下げである。6月と比べて、今回の預金金利引き下げ幅はさらに大きい。しかも主として定期預金と大口預金証書が対象である。例えば、工商銀行と農業銀行は一年物、二年物、三年物と五年物人民元定期預金金利と1.55%、1.85%、2.2%と2.25%とした。これまではそれぞれ1.65%、2.05%、2.45%と2.5%であった。(9/3)


・税関統計によれば、今年1-8月、中国の輸出入総額は27.08兆元で、前年同期比0.1%微減、うち輸出15.47兆元、0.8%増、輸入11.61兆元、1.3%減、貿易黒字3.86兆元、7.3%拡大、米ドルで計算すると、今年1-8月、中国の輸出入総額は3.89兆ドル、6.5%減、うち輸出2.22兆ドル、5.6%減、輸入1.67兆ドル、7.6%減、貿易黒字5534億ドル、0.8%拡大。(9/7)


・最近,人民元対米ドル相場は段階的に圧力を受けているが、主として米ドル指数が強くなり、中国と米国の金利差の予期が拡大する等の背景の下で下落したのである。

 Windのデータによれば、9月8日現在、米ドル指数は月内に1.39%上昇し、オフショア人民元対米ドル相場は月内に1.23%下落し、オンショア人民元対米ドル相場は0.7%下落した。(9/11)


・大連、南京等二線都市が現行の住宅購入制限政策を取り消した後、9月11日済南と青島が現行の購入制限政策を調整すると発表した。(9/12)


・2023年6月末現在、工商銀行、農業銀行、中国銀行、建設銀行の不良貸出比率はそれぞれ1.36%、1.35%、1.28%と1.37%で、2022年末よりもそれぞれ0.02%、0.02%、0.04%と0.01%下がった。交通銀行の不良貸出比率は1.35%で、2022年末と同じであった。(9/14)

・2023年6月末現在、工商銀行、農業銀行、中国銀行、建設銀行、交通銀行の引き当てカバー率はそれぞれ218.62%、304.67%、188.39%、244.48%と192.85%である。引き当てカバー率が218.62%に達したことは、銀行が1元の不良債権の可能性に対する補償として2.18元を事前に準備していることになる。(9/14)

・市場販売の改善を一挙に成し遂げることは不可能であり、今後しばらくの間、不動産業の資産の質の管理をしっかりやることは銀行の業務の重点である。(9/14)


・9月14日、中国人民銀行は9月15日から金融機関の預金準備率を0.25%(すでに5%の預金準備率を実施している金融機関を除く)引き下げることを決定した。中央銀行は金利引き下げと不動産金融政策適正化の後、今年二度目となる預金準備率の全面的に引き下げを実施し、金融政策による継続的な景気回復と景気回復を促進するという断固たる決意を示した。(9/15)


8月分規模以上の工業増加値、前年同期比4.5%増、増加速度が前月より0.8%速くなる。

サービス業生産指数、前年同期比6.8%増、増加速度が前月より1.1%速くなる。社会消費品小売総額、前年同期比4.6%増、増加速度が前月より2.1%速くなる。(9/16)

1-8月、社会消費品小売総額は前年同期比7%増、サービス小売り額は19.4%増となった。(9/16)

1-8月、固定資産投資は前年同期比3.2%増であった。インフラ投資は前年同期比6.4%増,製造業投資は前年同期比5.9%増、ハイテク産業投資は前年同期比11.3%増、科学研究と技術サービス業投資は22.3%増加。(9/16)


1-8月全国一般公共予算収入は151796億元で、前年同期比10%増加した。全国一般公共予算支出は171382億元で、前年同期比3.8%増加した。(9/17)


・2022年中国の研究と試験発展(R&D)経費投入総額は3兆元を突破し、30782.9億元に達し、前年比10.1%増加した。2022年の投入強度(R&D経費とGDPの比)は2.54%で、前年より0.11%高くなった。(9/19)

・中国人民銀行は2023年9月15日から金融機関の外貨預金準備率を現行の6%から4%にして2%引き下げることを決定した。これは2022年以来、中央銀行の三回目の外貨預金準備率の引き下げであり、外為流動性約164億ドルが放出される。(9/19)

・人民元対米ドル相場下落圧力は主として短期的、段階的なものである。最近、人民元対米ドル相場はある程度下落したが、但しバスケット通貨に対しては基本的安定を保持しており、米ドル以外の主要通貨に対しては総体的に強含みであり、外為市場の運営は穏健で、市場の期待は総体として平穏である。(9/19)


・(習近平)新時代、あらたな旅路において、中国式現代化で強国建設、民族復興の偉業を全面的に推進し、新型工業化を実現することはカギとなる任務であると強調した。(9/25)


・高い付加価値の“新三品”(EV,リチウム電池、太陽エネルギー電池)は既に”老三品“(服装、家電、家具)取って変わり、輸出の主力になった。(9/26)

・国際収支から見ると、2023年上半期の中国の経常収支の黒字は1468億ドルで、同期のGDPとの比は1.7%で引き続き合理的で均衡の取れた区間にある。貨物貿易の黒字は2933億ドルで、暦年同期で2番目に高かった。サービス貿易の赤字は1021億ドルで、旅行、運輸が主要な赤字項目となった。対中直接投資は資金純流入が続き、そのうち中国株式投資純流入による吸収は323億ドルであった。(9/26)


・(習近平、集団学習時)WTO改革に参与する重要性と緊迫性を深く認識し、さらに積極的な歴史的責任と創造的精神で、WTO改革と国際経済貿易規則の調整に全面的に参与し、高水準の対外開放で深いレベルの改革を促進し、質の高い発展を促進しなければならない。

(9/28)


・(習近平、国慶節招待会にて)”一帯一路“を共に打ち立てる質の高い発展を推進し、・・・共同富裕を着実に推進し、人民群衆の獲得感、幸福感、安全感を絶えず強めなければならない。(9/29)


・9月25日以降、大手四行を含む多くの銀行が既存の最初に購入した住宅の住宅ローン金利の一括引き下げを始めた。(9/30)



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