「アジア・ユーラシア総合研究所」の西原評議員が提唱されました。
谷口代表理事も参加されています。
東京新聞
2020年10月8日 17時00分
2022年2月22日22時22分22秒。数字の「2」が12個重なるその瞬間に、
東アジア各国の首脳が「もう戦争はしない」という宣言を出そう―。そんな呼び掛けをするプロジェクトが始まった。
元早稲田大総長の西原春夫さん(92)が発案し、85歳以上の各界著名人に呼び掛けると、作家の瀬戸内寂聴さん(98)や登山家三浦雄一郎さん(87)ら約20人が賛同した。「誰もが覚えやすい数字を宣言の日時にした。人類の危機であるコロナを契機に、あらためて戦争放棄を世界に伝えたい」と意気込む。(出田阿生)
10代以上で太平洋戦争を経験したのが85歳以上の世代だ。発起人の西原さんは、その人たちを「長老」と呼ぶ。
昨年、「東アジア不戦推進機構」という団体を設立し、各界の著名人に賛同を呼び掛けると、企業家から文化人までさまざまな顔触れがそろった。
「日本は戦争や植民地支配で他国に甚大な損害を与え、自らも大きく傷ついて国を滅ぼした。戦後はその反省に立って戦争放棄を憲法に明言し、
平和国家として歩んできた。その経緯を直接経験した長老たちが、不戦を訴えることに説得力がある」と西原さんは言う。
実現を目指すのは、「あらゆる対立を超えて人類全体の連帯を図り、人類絶滅の危機を回避するよう努力する」
「そのためには少なくともまず東アジアを戦争のない地域とする」という2つの提言が盛り込まれた宣言。賛同者である「長老」たちの人脈を駆使して、日本政府をはじめ、東アジアの国々の首脳が共同もしくは個別に宣言を出すよう働き掛けていくという。
「長老」の1人、茶道裏千家大宗匠の千玄室さん(97)は特攻隊の生き残り。
「戦争なる過酷な、人間同士の生存を許さない、権力のぶつかり合いを知る1人。戦争を地上からなくしたい」と言葉を寄せた。
同じく作家平岩弓枝さん(88)は「少女時代はほとんどが戦争に明け暮れていた」と振り返る。昼間は勤労奉仕、夜は防空壕で震えた。
敗戦時は13歳だった。「東アジアからこの運動を世界に広げないと」と訴える。
また、元東京大学長の有馬朗人さん(90)も、戦争が終わったときは中学生だった。
「戦闘機の機銃掃射に遭うという怖い目にあった」。戦後、世界の国々を巡ると「どこにいっても戦争の傷がある」と感じたという。
狂言師の野村萬さん(90)は「文化は争いがあっては栄えない」、元国連事務次長の明石康さん(89)は「東アジアの平和構築に向けたすばらしい企画」というメッセージをそれぞれ寄せた。
西原さんは「『敵が攻めてきたらどのようにして国を守るか』という政策は必要だが、実は敵をつくり軍拡を招くというリスクを含んでいる。
それよりも『どのようにして、攻めてくる国がないようにするか』を考えるのが先決ではないか。このような発想の転換を、大勢の人々と共有したい」と話している。
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